「地球に優しい暮らしは、家族に優しい暮らし」をコンセプトに、地元密着型でありながら、グローバルな家づくりを提唱しているシズカホーム。シズカホームの考え方に共鳴した編集者・セキノツカサが、自分の理想のマイホームを手に入れるべく、シズカホームの社長・望月千明さんと設計士・新名清隆さんに家づくりのあれこれを教えてもらいます。

 

 

Vol.4  『気になるゼロエネルギー住宅

 

 

2020年の省エネ基準の義務化に向けて、ZEH(ゼッチ)=ゼロエネルギー住宅の認知度が上がってきました。SII(環境共創イニシアチブ)認定の「ZEHビルダー」であり、他社に先がけてZEHに取り組んできたシズカホームならではのZEH「しずかの家」について聞きました。

 

 

Net Zero Energy House = ZEH

 

セキノ:このところ「ZEH(ゼッチ)」の文字を目にすることが増えてきました。シズカホームでは、随分前からZEHを提案されていますよね。詳しいことはホームページを見ていただくとして、ZEH=ゼロエネルギー住宅とは何か、簡単に教えてください。

新名:断熱性能の向上や省エネ設備の導入、太陽光発電などの活用によって削減されたエネルギー量のことを「エネルギー消費削減量」と呼びます。地域ごとの気候条件などを反映して定められた「基準一次エネルギー消費量」という値から「エネルギー消費削減量」を引いた「一次エネルギー消費量」がゼロまたはゼロ以下となることを目指した住宅のことを「ゼロエネルギー住宅」と言います。

セキノ:「エネルギー消費削減量」を多くするためには、具体的にどんな方法がありますか?

新名:まず、断熱性の高い断熱材やサッシを用いたり軒を深くして日射しを遮ったりという、住宅性能を高める工夫ができます。太陽光発電パネルなどを設置してエネルギーを創り出すことも必要です。そして、省エネタイプの照明器具や冷暖房、給湯器などを導入することでも、エネルギー消費を抑えられます。

セキノ:経済産業省では「2020年までに注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する」という目標を掲げて普及に向けた取り組みを行っているようですが、やはりこれからの家はZEHが標準になるのでしょうか?

新名:そうですね。世界的にクリーンエネルギーを普及させる動きが進んでいて、そういった国際的な流れの中での日本の取り組みですから。「LCCM住宅」というZEHよりもさらに高い水準の住宅が提唱されてきたりもしていますし、今後はますます住宅の省エネルギー化が進んでいくと思います。ただ残念なことに、海外に比べると、日本はだいぶ遅れています。

セキノ:地球環境のことが大事なのはわかりますが、目先の家計のことやマイホームに対する夢などもいろいろもありますから、なかなか環境を最優先にはできないでしょうね。

新名:「地球のために」という人よりは、「光熱費を安く抑えられるから」という経済的な理由でZEHにされる方が多いです。私たちは、ZEHを提案する場合でも、まずはお客様の暮らし方から考えます。使ったエネルギーと創ったエネルギーが ”とん とん” になれば良い訳ですから、暮らしに合わせて無理なく省エネできる工夫を提案しています。エネルギーに固執するのではなく、機能性、快適性、デザイン性などを総合的に考えた家を作りたいと思っているんです。

セキノ:バランスが大事ですね。

 

 

太陽光発電パネルのこと

 

セキノ:太陽光発電のパネルの設置は、ZEHには欠かせないものですか?

望月:エネルギーを創り出す方法は太陽光以外に地熱や風力などもありますけど、一般家庭で取り入れやすいのは太陽光ですね。電気の余剰買取制度が始まったのが2009年なので、最初の時に始めた家ではもうすぐ10年目を迎えるんですけど、買取価格はだいぶ安くなってしまいましたね。

新名:1kWh48円からスタートしたのが、この先は10円くらいになってしまう見込みです。パネルじたいが安くなってきているので、10年くらい経てば採算が取れるんですが、最初の頃に「儲かっている」と感じていた人だったら、いまは「得していない」と感じるでしょうね。

セキノ:うちでも太陽光パネルの導入を検討したことがあるんですけど、計算上では大して得な感じもしないし、もともと古くて断熱性が低い家なので、あまり意味がないかなと思ってやめてしまいました。エネルギーの効率化や自然エネルギーの活用にはとても興味があるし、必要なことだとわかってはいるんですけど、私、どうも太陽光パネルが好きになれないんですよね。屋根に乗っている姿に違和感があるんです。自然エネルギーを作り出すものではあるけれど、それ自体が見た目に自然じゃないというか…

望月:確かに、完全に人工物ですもんね。

セキノ:太陽光パネルにも、すごく目立つものと、わりと屋根に馴染んだ感じのものとあるように思いますが、いろいろな種類があるのですか?

新名:そうですね、種類はいろいろあります。見た目が気になるということだけであれば、太陽光パネルが見えないように設計する方法はあります。

セキノ:なるほど。ふだん見えなければ気にならないかもしれません。でも、見た目がクリアできたとして、古くなったらどうするんだろ?というのも気になります。

新名:廃棄については、これからの課題ですね。太陽光パネルは、数年でダメになるようなものではないですが…

セキノ:自然に還る太陽光パネルがあったら、迷わず導入します。でも、よく考えたら、私たちにはふだん発電所の様子が見えていないだけで、発電所の施設と比べたら屋根に乗っているパネルなんて可愛いものなんでしょうね。

新名:そうですね。自然エネルギーのことや地球環境のことは、もっと考えていかなくてはいけないことだと思います。個人個人で考えることも必要ですが、自治体や地域でも取り組んでいくといいと思います。

 

 

家計にも体にも優しいZEH

セキノ:地球や家計のこと以外で、ZEHのよい点はありますか?

新名ZEHの基本は高断熱性能なので、冷暖房に頼らなくても、夏は涼しく冬は暖かいですね。うちのお客様でZEHにした方もまずはそうおっしゃっています。家の中の寒暖差が少ないので、冬場のヒートショック現象のリスクも減らせます。

セキノ:ヒートショックで亡くなる高齢者は年間1万人などと言われますよね。そういったリスクを回避できるのは良いですね。

新名:夏場の熱中症も防げます。家の性能を上げることで対処できることって、案外多いんですよ。

望月:結露を起こしにくいから、家ダニやカビの発生を抑えられるという報告もあります。

セキノ: つまり、アレルギーの予防にもつながるんですね! 冬場の結露って、鬱陶しくて困っています。解消できたら嬉しいですね。でも、冬場に家の中が暖かい家だと、外との寒暖差で結露しやすいような気がしてしまいますが、どうして結露しにくいのですか?

新名:室内の結露は、室内の壁やサッシの室内側の表面温度が重要です。断熱性能の低い家では、暖房を止めた夜間などに室内の壁やサッシの温度が低くなり、室内側で結露します。断熱性能の高い家だと温度変化か少ないので結露しにくくなります。

セキノ:なるほど。そういうことなんですね。

新名:さらに問題になってくるのは、壁の中での結露です。断熱材より外側は温度差が大きいので、セキノさんのおっしゃるように、壁の中では結露しやすくなります。ですから、断熱性能だけを追求した建物では欠陥も生じます。弊社の場合は、断熱と同時に、壁の中や天井の下地に「防湿フィルム」を施して湿気を防いだり、断熱層の外側に通気層を設けて換気を促したりしています。

セキノ:断熱って、もう少し簡単に考えていましたが、断熱性能だけではダメなんですね。

新名:そうです、とても重要なことなんです。きちんと建てた高断熱は、建物の寿命が伸びますから。

セキノ:壁の内側なんて、素人には全くわかりませんから怖いですね。家を建てるなら、見かけだけでなく、安心して長く住める家を建ててくれる会社を選びたいものです。

 

 


 

PROFILE

セキノツカサ

編集者・ライター。大学卒業後、「暮しの手帖」編集部、「はあと&はあと」(ベネッセコーポレーション)編集部を経て、独立。実用系の雑誌や書籍を中心に、幅広い分野で活躍する。マイホームの新築を計画中。

 

 

静岡の1級建築士 |注文住宅・リフォーム お客様の「家づくり」をお手伝い。

株式会社シズカホーム 本 社/〒416-0931静岡県富士市蓼原116-3 Tel.0545-61-4414 Fax.0545-64-5836