「地球に優しい暮らしは、家族に優しい暮らし」をコンセプトに、地元密着型でありながら、グローバルな家づくりを提唱しているシズカホーム。シズカホームの考え方に共鳴した編集者・セキノツカサが、自分の理想のマイホームを手に入れるべく、シズカホームの社長・望月千明さんと設計士・新名清隆さんに家づくりのあれこれを教えてもらいます。

 

 

Vol.2 『土間のある暮らしがしたい』

 

あなたは、どんな家に住みたいですか? これから、どんな暮らし方をしていきたいですか? 今回のお話のキーワードは「土」。シズカホームが提案している、土の匂いがする暮らしについて伺います。

 

 

家と外のあいだを活かす

 

セキノ以前、別の取材でお話を伺ったときに、「土間のある住まい」を提案されているとおっしゃっていましたよね? 土間収納は、住宅展示場や新築した友人の家で見て、便利そうだなと気になっていました。

新名:昔の農家には、たいてい家と外のあいだのスペースというのがありました。そういったスペースがあるとやはり便利ですし、土間の良さが見直されてきているようですね。シズカホームでは、いまどきのオシャレな土間収納というよりは、もっと土の匂いがする、昔ながらの土間に近いものを主に提案しています。

セキノ:私の祖父母の家は農家だったんですが、そういえば、玄関まわりにも台所にも靴のまま入れるスペースがありました。農作業の合間に土の付いた服や靴のまま玄関土間でおやつを食べたり、土が付いた野菜を台所の横の土間で洗ったりしていたのを覚えています。

新名:そう、そういうスペースに近いですね。

セキノ:東京から静岡の三島市に引っ越してきて、土の付いた野菜をいただく機会が格段に増えました。春には毎年タケノコをたくさんいただくんですが、土を落としたり皮をむいたりできるスペースがあったらいいなぁと思います。

新名:田舎のほうだと、帰りがけに「これ持ってって!」なんて感じで、野菜を持たせてくれるようなことが多々ありますよね。土間があるととても便利ですね。

セキノ:シズカホームのお客様でも土間収納を希望される方がいらっしゃいますか?

新名:以前、お客様の要望で、キッチンの裏方に少し広めの土間収納を施工したことがあります。実家から貰った野菜などを箱に入れた状態でオーソドックスに収納したいとのことでした。 土の付いた状態で保存することになるので、汚れることは当然のことと覚悟して、その後の掃除のしやすさまで考えた造りにしました。

セキノ:キッチンの外に野菜を置けるスペースがあるのはいいですね。玉ねぎやじゃがいもなんかは、日が当たらなくて風通しのいい場所に置きたいんですけど、いま住んでいる家にはちょうどいい置き場所がない。過去に住んでいた家でも、常に悩みのタネでした。

新名:玉ねぎは土間に吊るしておけば、かなり日持ちします。野菜に限らず、食品の収納スペースとしても土間があると便利です。「パントリー」なんてオシャレな言葉がありますけど、要は食品庫のことですね。食糧備蓄という観点からも土間は重要だと思っています。

セキノ:食糧備蓄ですか!?

新名:そうです。災害があったときには、とにかく食べていかなくてはいけない。それぞれの家庭でしっかり食糧備蓄をしておくことは、コミュニティーとして大事なことだと思います。

 

 

災害時にも安心できる家を

 

セキノ:スケールの大きい話になってきましたね。「災害時のことを考えた家づくり」というお話は、第1回(Vol.1 自分サイズのちょうどいい家づくり)でも少し出てきましたが、やはり大事な観点ですよね。

新名:地震があったときや大雪が降ったときに、トラックが目的地に行けなくてモノが届かないことがありますよね? そういう部分がいまの社会の弱点だと思っています。いまのところ1週間くらいで復旧できる災害がほとんどですけど、もっと大きな災害が起こったら…どうですか?

セキノ:困りますね。東日本大震災のときには、被災地だけでなく、東京や静岡でもモノがなくなっていましたよね。脆弱だなと感じました。家を建てる際には、キッチンの土間収納を、ぜひ取り入れたいと思います。

新名:いくら丈夫な家を建てて家が潰れなかったとしても、食べるものがなかったら生きていけませんからね。その先のことも考えないと。

セキノ:そうですね。食糧備蓄も必要だし、エネルギーも作れたほうがいいし…

新名:野菜も作っておいたほうがいいし、井戸もあったらいい。ひょっとしたら自分の家だけが備蓄をしていてもダメなのかもしれません。コミュニティー全体で危機管理をしていかなくてはいけないと思います。

セキノ:自分や家族のことだけでなく、もっと広く考えなくてはいけませんね。

新名:そもそもなぜ家を持つのか、と考えたら、ひとつには「安心を得るため」という理由もありますよね。せっかく家を建てるならより安心して暮らせるような家づくりや地域づくりをしていくといいと思います。

 

 

家づくりにつながる野菜づくり

 

セキノ:先ほど、野菜も作っておいたほうが安心という話が出てきましたが、シズカホームでやっている「HATAKE project」という取り組みもその一環なのですか?

新名:それもありますが、HATAKE projectでは、まずは単純に畑仕事を学んでいるんです。野菜づくりのことを孫や子に伝えていかなくてはいけない歳なのに、何も知らなかったことがわかって驚きの連続です。

望月:昨年の2月から始めて、2年目になりました。弊社では環境に配慮したゼロエネ住宅を建てているので、他にも何か地球のため社会のために良いことができないだろうかという話になって、スタートしたんです。

セキノ;農的な暮らしには、私もとても興味があります。

新名:裏の畑で採れた野菜を、土が付いたまま土間に持って入って、洗ってキッチンに持っていく…これからの家づくりでは、そういう暮らし方を提案できたら理想的だと思っています。

セキノ:いいですね。うちでも少しだけ野菜や果物を育てていますが、子どもたちが収穫して食べるのを楽しみにしています。もっと土がたくさんあるところに住んで、そういう暮らしをしてみたいなとも思います。

新名:プロジェクトに参加されているお子さんは、好き嫌いなく野菜を食べるようになったそうです。食育にもなりますよ。畑、やってみませんか?

セキノ:そうですね。まずはHATAKE projectの収穫祭(秋の収穫祭のようす)に参加してみたいと思います。

 

 

望月:畑仕事、楽しいですよ。将来的にはシズカホームとして家庭菜園付きの分譲地みたいなものができればいいなという夢もあるんですが…

新名:実際にはいろいろな制約があって難しい。例えば80坪のうち、50坪は宅地で30坪は畑という考え方はできなくて、80坪の宅地になってしまいますから、すごく高くなってしまいます。国の制度を変えてもらわないとね。都市計画によって、農地と住宅地を分けること自体に、無理があるのかもしれません。

セキノ:現状を変えていけたらいいですね。

新名:私たちは、昔ながらの土間のある暮らしを提案していますが、決して昔の暮らしに戻したいわけではないんです。昔ながらの暮らしの良いところを、いかに現代風にアレンジして取り入れていくか。時代に即した新しい暮らし方を提案していくことが大切だと思っています。

セキノ:そうですね。昔の暮らしにヒントを得ながら、いまの自分たちの暮らしに合った家づくりができたらいいですね。

 

 


 

PROFILE

セキノツカサ

編集者・ライター。大学卒業後、「暮しの手帖」編集部、「はあと&はあと」(ベネッセコーポレーション)編集部を経て、独立。実用系の雑誌や書籍を中心に、幅広い分野で活躍する。マイホームの新築を計画中。

 

 

静岡の1級建築士 |注文住宅・リフォーム お客様の「家づくり」をお手伝い。

株式会社シズカホーム 本 社/〒416-0931静岡県富士市蓼原116-3 Tel.0545-61-4414 Fax.0545-64-5836